会長よりご挨拶

多様性に満ちたプラットフォームを目指して
 

 舞踊学会は昨年の12月に創設40周年を迎えることができました。斯界で活躍された多くの先人のご努力と支えがあってこそ到達できた年月だと痛感させられ、ここにあらためて諸先輩に深甚なる感謝の意を表したいとおもいます。

 40年前といえば、ダンス文化の「震源地」はニューヨークであり、彼の地がまさに躍動していた時代です。そこでは、クラシカル・バレエからポストモダン、そしてストリート系のダンスすべてが生き生きと演じられ、多彩なワークショップも街のあちこちで開催され、またダンス関連の書籍がなんら違和感を呈することなく街の書店の棚に一定のスペースを確保していましたし、ダンス関連の書籍専門の店舗もそれなりに活況を呈していたように記憶します。そんな時代に舞踊学会は、ここ日本で呱呱の声をあげたことになります。

 

 つい先日手元に届いた『舞踊学』(第38号)が、いま私の傍らにあります。200頁からなるその学会紀要は、ここ数年には例がない程の大冊であり、またその表紙を覆う目次から、この学会の多様さが十二分に認識され、と同時にその懐の深さにいまさらながら驚かされます。もちろん、それは舞踊それ自体の多様性の反映でもあるわけですが、その射程の角度と深度には言表できぬほどの魅力を感じるのは、決してわたしだけではないとおもいます。

 舞踊の形式を超えて、実践と研究の交流を実現できる場が舞踊学会です。例年、6月には定例研究会を、そして12月には学会大会が開催されます。また、上述の紀要(年刊)に加え、年2回発行のニューズレター(デジタル版)では会員に資するとおもわれるテーマを、やはり会員の寄稿によって編まれたものが会員のみなさまに届けられます。

 舞踊に係る多様な関心を抱く研究者と舞踊家たちとのダイナミックな交流の場、あるいはプラットフォームの構築を今後も精力的に目指し続けて参ります。ご指導、ご鞭撻賜れば幸いに存じます。

 2016年4月吉日   舞踊学会会長 大貫秀明